5.エルの肖像
白い結晶の寶石は 風を纏って踴る
樹氷の円舞曲 遠く朽ちた楽園
黒い瞳孔(め)の少年は 風を掃って通る
樹氷の並木道 深い森の廃屋
少年が見つけた 少女の肖像畫
『彼』は病的に白い 『彼女』に戀をしてしまった…
幼い筆跡の署名(Sign) 妙に歪な題名(Title)は
【最愛の娘エリスの八つの誕生日に…】
退廃(Decadence)へと至る幻想 背徳を紡ぎ続ける戀物語(Romance)
痛みを抱く為に生まれてくる 哀しみ
第四の地平線─その楽園の名は『ELYSION』
──そして…幾度目かの楽園の扉が開かれる……
やがて少年は彼の《理想》(idea"L")を求めるだろう…
やがて少年は彼の《鍵穴》(keyho"L"e)を見つけるだろう…
やがて少年は彼の《楽園》(e"L"ysion)を求めるだろう…
やがて少年は彼の《少女》(gir"L")を見つけるだろう…
娘もまた母になり 娘を産むのならば
楽園を失った原罪を 永遠に繰り返す……
始まりの扉と 終わりの扉の狹間で
惹かれ合う『E』(EL)と『A』(ABYSS)──愛憎の肖像
禁斷に手を染め 幾度も戀に墮ちてゆく
求め合う『E』(EVA)と『A』(ADAM)──愛憎の肖像
やがて少年は♂(オトコ)の為に自らを殺し 少女は♀(オンナ)の為に自らを殺す
時の荒野を彷徨う罪人達は 其処にどんな楽園を築くのだろうか?
──幾度となく『E』(Elysion)が魅せる幻影 それは失ったはずの『E』(Eden)の面影
嗚呼…その美しき不毛の世界は 幾つの幻想を疾らせてゆくのだろう──
~終わり~
- 专辑:Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜
- 歌手:Sound Horizon
- 歌曲:エルの肖像