それは遥か(はるか)な昔(むかし)の話(はなし)遠い国(とおいくに)のこと
深い(ふかい)深い森(もり)の中(なか)隠れ(かくれ)暮らす(くらす)者(もの)がいた
人(ひと)は彼(かれ)を恐れた(おそれた)
彼(かれ)も人(ひと)を恐れた(おそれた)
どこで生(う)まれてなぜここにいる
名前(なまえ)も持(も)たずに
何(なに)も知(し)らずにただわかるのは
孤独(こどく)のその理由(わけ)
人(ひと)が年老い(としおい)ても彼(かれ)だけが若い(わかい)まま
『僕(ぼく)は人(ひと)ではない』
もしか神(かみ)がいるならばどうして僕(ぼく)を生(う)んだ
虚しい(むなしい)永遠(えいえん)は一人(ひとり)では長(なが)すぎて
問い(とい)かけに応える(こたえる)は反響(こだま)ばかり
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戦い(たたかい)があり国(くに)は滅び(ほろび)て森(もり)は開(ひら)かれた
それでも銀(ぎん)の髪(かみ)持つ者(もつもの)を人(ひと)は許さ(ゆるさ)ない
旅路(たびじ)を彷徨った(さまよった)
名前(なまえ)を持(も)たぬまま
季節(きせつ)の色(いろ)も忘れ(わすれ)るほどに
長い旅(ながいたび)の果て(はて)
小さ(ちいさ)な家(いえ)の扉(とびら)の前(まえ)で倒れ(たおれ)た旅人(たびひと)
冷(つめ)たくなる身体(からだ)
薄れ(うすれ)ていく意識(いしき)
『これが僕(ぼく)の最期(さいご)』
もし神(かみ)がいるならばこのまま終(おわ)らせて
虚しい(むなしい)永遠(えいえん)に求めて(もとめて)も悲し(かなし)くて
ただひとつ欲し(ほし)かった僕(ぼく)の名前(なまえ)
遠い声(とおいこえ)は聞(き)こえた
「大丈夫(だいじょうぶ)?」
気(き)がつけは小さ(ちいさ)な家(いえ)の扉(とぶら)が開いて(あいて)
そこにいたのは病(やまい)の少年(しょうねん)
あたたかい家(いえ)の中(なか)に彼(かれ)を招いた(まねいた)
「さあ」
たったひとり友達(ともたち)になった優しい(やさしい)少年(しょうねん)
けれども彼(かれ)の病(やまい)は深く(ふかく)治る(なおる)すべもなく
ベッドの中(なか)で少年(しょうねん)は言う(いう)最後(さいご)の願い(ねがい)を
「もらっておくれ僕(ぼく)の名前(ねまえ)を君(きみ)のものとして
長い(ながい)長い君(きみ)の旅(たび)に僕(ぼく)を連れ(つれ)ていって」
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もし神(かみ)がいなくてももう僕(ぼく)は構(かま)わない
孤独(こどく)な永遠(えいえん)を共に(ともに)生(い)きる名前(なまえ)があるから
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from lingyah
- 专辑:ramillete
- 歌手:じゃっく
- 歌曲:或る吸血鬼の物語