咽び泣く 悲哀の鶫 忘れ難きは在りし日の記憶 祖国に背を向けし肉親の 凍てつくような最後の視線と 小さくなっていく未だ幼き背中 嗚呼 哀しみの雨はやがて 憎しみの雷(いかずち)へと変わり 覆い尽くす厚い雲が 私(彼女)の視野を黒く染めゆく 交わした契りをなぞる度に 灼ける心はまるで 愛おしさも美しさも 切り裂く剣のように 背徳の咎に裁きを 可憐な翼に慈愛を 壊れた歯車の音さえも 聞こえぬまま 夢に見る在りし日の王女(きみ)の姿 鮮やかに 悲愴の鶫 凍てつく微笑(えみ)で踏む異国の大地(つち) 祖
ドロッセルの剣
2024-11-17 13:53