気付いたらもう嵐の中で 帰り道がわからなくなっていた 記憶の匂いばかり詰めた 空っぽの鞄をぎゅっと抱えて 時を奪う雨と風の中で 見えなくなって聞こえなくなってしまった 体だけが自動で働いて 泣きそうな胸を必死で庇って 止まったら消えてしまいそうだから 痛みとあわせて心も隠して 振り返ったら吸い込まれそうだから 今を繰り返す 臆病な爪と牙 ここにいるためだけに 命の全部が叫んでる 涙でできた思いが この呼吸を繋ぐ力になる いくつもなくなったあとに 強く残った ひとつ残った その声は流れ星のように
ファイター / FIGHTER
2024-11-17 06:19