軒の燕が電線停り しだれ柳にこの身がなびく あの日通いしニコライ堂 礼拝すれば熱き涙を神ぞ知れ 待てど暮らせど来ぬ人の 便りを待たぬ日とてなく 思い乱れてなを文を書く 路傍のマロニエ見るたび 貴方ときざみしマロニエの 恋の言葉 忍ばれて 切ない夢がこみ上げる 暮れる街並街燈ともり 帯がなるたびこの身が細る 小雪散れ散れ聖橋 流れに捨てた金のボタンに 小雪散れ 言うに言われぬこの心 溜息つかぬ夜とてなく たもと揚げてなを涙する ...................................
マロニエ読本
2024-11-17 11:03