もう 視界(しかい)が歪む 指は震える 骨が 軋(きし)み上げる 干涸(ひから)ぶ 此の身よ いっそ 朽ちよと 願うも 連れ無し 否(いな)や 此(こ)れ以上 出来るなら 独り暮れたい なれど 亦(また) 二人 唇は 朱(あけ)に染まりて 雨に 打たれる 為に 漫(そぞ)ろに行くを 見遣(みや)るは 夜の 雲や 刻んだ 咬(か)み痕(あと) 細(ほそ)る好(よ)き人 迚(とて)も 見て居られぬ 干涸(ひから)ぶ 其の身の 愛おしきこと 首筋を 摩(さす)る 否(いな)や 此(こ)れ以上 出来るな
十六夜の雨
2024-11-17 07:35