一つ二つ 歩む足は石段を数えて 登りつめた社に咲く薄紅 此処で見送り 此処で佇む 一人産土から 帰りを願う 夜空に舞う短し春 遠く闇へと滲んで 同じ明日を共に見てた 過ぎし日を連れてく 縋るだけの神の風よ 救えないならせめては この可憐な桜花を 彼のもとへ運んで 悲しまないよう 彩りは変わりゆく 静かに止め処無く 戻れない影達の 居場所が消えてしまう 何処にいますか 寄り添い生きた季節がまた終わる 次を待つのは遠すぎて 還らぬ人 還らぬ日々 残さるるまま移ろい その姿も忘れた時 人知れず散るのか
桜の社
2024-11-17 16:52