悲しいことがあると 大きな木に登って 沈んでく夕日を ひとりでながめていた 手作りの小さなラジオ ノイズに混じる知らない言葉 いろんなことを知って 見えるもの変わった 純粋さを忘れて 騙すことを覚えた 「賢いねと頭を撫でて 困らせない 良い子だから 泣かないわ」 あの日見た景色も いつか忘れてしまうだろうか あの頃できたことが もう 今はできない 折れたピアノの脚 傷は剥き出しのまま 夕暮れの帰り道 夕ご飯の匂いと 明りの灯った家 ただいまと言いたくて あの日見た景色も いつか忘れてしまうだろう
深遠
2024-11-17 15:27