それは私の名ではない もとより名前などない ヒトが望む幻想に 目を瞑っていただけ それは私を意味しない 価値など求めていない ヒトが望む幻想は こうも浅はかなものか 想いの根は深く 芽から零れる滴 土に染むことなく 花びらに託された 見知らぬ誰かが 付けた名を 愛しく思う日が 来るだろう 見知らぬ誰かが 付けた意味に 心を寄せる日が 来るだろう それが私の名となって いずれ花譜に刻まれる ヒトが望む幻想は こうも私を照らすのか 枝葉と息をする 虫は間もなく蝶に 透明な裏翅は 私よりも美しい 枯れ
生きた花の詩
2024-11-17 09:46