廻れ.廻れよ いと儚げに 翼持たぬ鳥の歌よ 水平線高く鳥は唄い 今飛び発つ銀の翼にて その瞳に灯す冷たい火は 戦場へと放つ雷槌(いかづち)よ その羽根で何処まで往ける気か 空は蒼く高くどこまでも遠く澄み渡り 少年は鳥になりたかっただけ 戦火の渦に巻かれて 飛ばせ 遙かなる旅路でも 翼持たぬ鳥は遠く たとえその手を血に染めても お国のためと 撃鉄落とす 燃やせ その生命を 火に変えて 翼宿す意志は強く 蜉蝣(かげろう)ほどの命であれど 空に 華を 咲かせてみよう 地平線に昇る陽を背にして 朝霧へと
鋼鉄ノ鳥
2024-11-17 09:58