波は乾いた珊瑚を攫って そっと海に還してまた打ち寄せ続けてる ざらざらと落ちる 砂粒のおとで目を覚ますよ 明日を忘れ 差し出される好意も全部振り払って 走る夜は逆さの道 記憶なんて頼りないフィルムだけど 呼び覚まして 砂の城を作っている 水で固めたジオラマみたいな世界 時間が経てば風に崩されてしまう 何度組み立てて 何度壊したら気づくだろう 涙を忘れ 噎せ返るほどの痛みも仕舞い込んで 走る夜は荊の道 目を凝らしていつかの姿探してる 戻れないと最初から知っていたのに 宙を泳ぐメモリの群れ 跳ねる鮮
mnemonic
2024-11-17 14:33